文字入力において、曖昧に取り扱われるのが空白と改行です。
曖昧というのは、空白も改行もどちらも文字であることを知らないで見た目のまま操作しているということです。
本記事では、文字入力が思うようにできるように、空白と改行に関しての知識を説明していきます。
コンピュータで扱う文字には見えない文字がある
キーボードからキーを押さえると、ディスプレイに文字が表示されます。
当然のことなのですが、コンピュータ(パソコン)で扱う文字には、
人間が普段使っている文字
コンピュータ特有の文字(特殊文字)
の2種類あることをご存知でしょうか?
文字は人間が分かればいいというものですが、コンピュータ特有の文字を使わなくてはコンピュータをうまく動作せることができません。
特殊文字はディスプレイに表示されない(見えない)文字です。
実は、普段パソコンで文書入力する時に使っている空白と改行はその特殊文字に相当します。
この見えない特殊文字はコンピュータの仕組みや文字コードなどを勉強しなくては理解しづらいものです。
(特殊文字は、半角文字と全角文字 の方で少しだけ解説していますので参考にしてください。)
ここでは、コンピュータの内部的なことは初心者にとっては難しいので画面上でどのように考えて操作していくかを説明します。
ワードパッドを使って文字入力していきまので、ワードパッドの起動などは、
をご覧ください。
また、半角文字を用いて説明していきますので半角モードであることを確認の上操作してください。
空白
キーボードの [Space]キーを押さえますと、1文字分の空白が空きます。
[Space]キーは文字と文字の間を開ける時に使いますが、これは間を開けているのではなく見えない透明の文字を入れているのです。
透明の文字を入れている結果、文字と文字の間が開いているように見えているだけです。
空白は、1文字分の大きさの透明な文字です。
空白が文字であることを確認する
abcと3文字入力しました。
カーソルをaとbの間に移動させます。
スペースキーを1回押さえますと、空白が開きます。
続けて、もう1回スペースキーを1回押さえます。
もう1回[Space]キーを1回押さえます。
計3回[Space]キーを押さえたことになります。
以上の画面を見る限り、いかにもaとbの間を開けているように見えます。
しかし、実際には、
赤枠で示したように、半角1文字分の透明の文字を3文字入れたことになります。
[Space]キーは、透明で見えない「空白文字」を入れるキーなのです。
間隔を開けるキーではないことに注意してください。
下図のように空白部分でカーソルを左右に移動させますと、
1文字単位でカーソルが動くことも確認できます。
また、[Backspace]/[Delete] それぞれのキーで、カーソル前後の空白文字を消すこともできます。
透明で見えない文字を意識しながら空白文字を扱うことにより、全く通常の文字を入力したり、削除したりするのと同様であることが分かるはずです。
この感覚を身に付ければ、先々での文字操作は思うようにできるようになります。
[Space]キーは間を開けるキーではありません。
[Space]キーは、空白文字を入れるキーです。
改行
次は改行ですが、これは空白と比べて少し考え方が難しいです。
しかし、改行の取り扱いは大変重要なことですので完璧に理解しておく必要があります。
改行すなわち行替えは[Enter]キーを押さえることにより行えますが、実はこれも行を替えているのではなく「改行文字」という特殊文字を入れているのです。
と言っても、画面を見ていると改行されているではないかということになるのですが、コンピュータ内部的には改行などされていません。
その代わりに、改行文字が入っています。
コンピュータ内部的なことは、半角文字と全角文字 の方で説明していますのでそちらをご覧ください。
何れにしろ、キーボードから入力した文字はコンピュータの頭脳に記憶され、その記憶した文字を画面に表示しています。
頭脳内では、改行部分では改行文字を記憶しています。
普通の文字に混ざって空白文字、そして改行文字が入力した順に並んで入っているだけです。
記憶している文字を画面に表示する時、空白文字では空白を開け、改行文字の部分では改行して表示するというようにしているのです。
以下ワードパッドを用い、画面上での改行の考え方・取り扱い方を説明することにします。
ワードパッドの設定
一旦、ワードパッドを閉じてください。
そして、再度ワードパッドを起動します。
ワードパッドを起動してすぐに使い出すと、行替えをした時に行間が開きすぎますので、見やすくするために設定を変えます。
ワードパッド起動直後の画面上部です。
もし、このようなアイコンが出ていなかったら赤枠の「ホーム」をクリックしてください。
上図赤枠のアイコンをクリックしますと、メニューが表示されます。
ワードパッド起動直後は、「1.15」と「段落後に10ポイントのスペースを追加する」にチェックが入っています。
まず、「段落後に10ポイントのスペースを追加する」部分をクリックします。
すると、一旦メニューは閉じられます。
再度、上図の赤枠のアイコンをクリックしメニューを出してきます。
「段落後に10ポイントのスペースを追加する」の前のチェックが外れていることを確認ください。
そして、「1.0」部分をクリックします。
メニューが閉じますので、再度メニューを出してきます。
「1.15」の前のチェックがなくなり、「1.0」の前にチェックが入りました。
これで、行間の大きさ設定は終わりです。
尚、この設定は一旦ワードパッドを終了すると元に戻ってしまいますので、見やすくしたい時は毎回ワードパッド起動時にこの設定をする必要があります。
また、文字が小さくて見づらい場合、
ワードパッドウィンドウ右下のスライダー
を左右にドラッグしますと、表示の拡大・縮小ができますので見やすい大きさに調整してください。
改行が文字であることを確認する
以下で改行文字というものを確認していきますが、常にカーソル位置に注意してください。
aaaaa と入力しました。
[Enter]キーを押して改行しました。
すると、カーソルが次の行に表示され行が替わったことが分かります。
続けて、bbbbb [Enter]、ccccc と入れました。
cccccを入れた後は、[Enter]キーを押さえない(行替えしない)でください。
ここで、カーソルがどの範囲で動かせるか矢印キー(←・→・↑・↓)を押さえて移動し確認しておいてください。
文字が表示されている範囲内でしかカーソルは動かせないことが分かると思います。
話を戻しまして、この3行に表示されている文字はコンピュータの頭脳内では、
aaaaabbbbbccccc
のように横1列に記憶されています。
それが、画面では上の3行に分かれて表示されているのです。
しかし、
aaaaabbbbbccccc
と記憶されていると書きましたが、実際には少し違います。
改行を表す文字も記憶されています。
改行文字は見えない文字ですので、ここでは > を改行文字として表しますと、
aaaaa>bbbbb>ccccc
このようになります。
先程、「最後は、[Enter]キーを押さえない(行替えしない)でください。」
と書きましたが、もし[Enter]キーを押さえたとしたら
aaaaa>bbbbb>ccccc>
と一番最後にも改行文字が入ってきます。
[Enter]キーを押さえると、この見えない改行文字( >)が入るのです。
言い換えれば、[Enter]キーは見えない改行文字を入力するキーとなります。
[Enter]キーは、改行するキーではなく改行文字を入れるキーということです。
文字をキーボードから入力していくと、まず頭脳に記憶し、その記憶された文字が画面に表示されます。
上のようにaaaaaから入力していった場合、問題は行末で[Enter]キーを押さえ、見えない改行文字 >を入力した時です。
改行文字は表示できないので空白が入るかと思いきや、そうではなくカーソルを次の行に持っていくという動作をします。
すなわち、改行するということです。
このような動作を表す機能も文字として扱うようになっていることがコンピュータを理解しづらくしている1つの要因です。
[Enter]キーを押した時、画面上では行が新しくできカーソルがその行に移動しますが、頭脳内には この改行文字というものが入力されているわけです。
コンピュータ頭脳内
aaaaa>bbbbb>ccccc
画面表示
aaaaa
bbbbb
ccccc
この2つが、同一のものであるという感覚を持つことができるでしょうか?
慣れるためにもう少し説明を加えることにします。
画面上のカーソルを → キーで右へ右へと動かし、最後まで行ったら反対に ← キーで左へと動かしていきましょう。
このカーソルの動き、特に行が替わるところですが、右へカーソルを動かすと下の行頭に来るということに注目してください。
aの行末の次は、aの行のままカーソルは右へと移動せず、下のbの行頭にカーソルが移動します。
bの行末の場合も下のcの行へと移動します。
反対に左へカーソルを動かしていくと、上の行末にカーソルが移動します。
下のように、画面表示を横並びの頭脳内イメージで考えると、分かりやすいと思います。
画面では、横並びではなく改行文字部分で下に折れ曲がって表示されているのです。
カーソルは隣の文字に移動するということに変わりはないということです。
改行文字は文字ですから削除もできます
という画面表示でも改行部分に改行文字が見えていると考えます。
aaaaa>
bbbbb>
ccccc
こういう感じです。
では、この3行に表示されている状態から1行に横並び表示できないでしょうか?
全ての文字を消して入れ直してもいいですが、長い文章ではそんなことは面倒臭くてできません。
改行文字があるために改行されて表示されているのですから、その改行文字を消してしまえばいいのです。
実は見えない改行文字も文字ですから、見えている文字と同じように削除できます。
改行文字を消す場合もカーソルで指示します。
その場合、カーソル位置が問題です。
画面での
は、
aaaaa|>
bbbbb>
ccccc
aと>の間にカーソルを持ってきた状態です。
aaaaa|>bbbbb>ccccc
このように、横並びで考えると分かりやすいです。
この場合、改行文字はカーソルの後(右)にあるので、[Delete]キーで削除できます。
また画面表示で、
は、
aaaaa>|bbbbb>ccccc
と考えれば、改行文字はカーソルの前(左)側ですから[Backspace]キーで削除できます。
どちらのキーで改行文字を消したとしても、
結果、頭脳内では
aaaaa|bbbbb>ccccc
となり、
画面には、
と表示されます。
同じ要領で、bとcの間にある改行文字を削除すれば、
というように、横一列に表示することができます。
逆に改行文字を入力すると、入れた部分で行が替わります。
aとbの間にカーソルを置き、ここで改行文字を入れます。
改行文字の入力は、[Enter]キーです。
改行文字が入力された結果として、
のように表示されます。
ここでのポイントは、[Enter]キーを改行するキーと考えないで、改行文字を入れるキーと考えることです。
改行文字を入れた結果として、改行文字部分で改行されて表示します。
[Enter]キーは、改行文字を入れるためのキーということをしっかりと覚えておきましょう。
では、
とb行とc行の間が1行空いている場合はどう考えればいいでしょうか?
頭脳内イメージは、
aaaaa>bbbbb>>ccccc
となります。
bとcの間に改行文字が2つ入っています。
aaaaaが表示された後 >で改行され、次の行にbbbbbが表示されます。
そして、>で改行され、さらに次の >で改行されるので空行が1つできるのです。
では、問題です。
下の頭脳内イメージでの画面表示はどうなるでしょうか?
>aaaaa>>bbbbb>c>cccc>
結果は自分でワードパッドに入力してどのように表示されるか確認してください。
改行文字(>)は、[Enter]キーで入力することに注意してください。
空白文字や改行文字を入れる時の注意点
どちらの文字にも言えることですが、入力している文書の最後の部分にこれらの文字を入れないようにしてください。
こう書いただけでは何を言っているのか分からないと思いますので説明しておきます。
2.の画面は、b行の最後に空白文字が1文字入っているのでbとカーソルの間が1文字分開いています。
3.の画面は、b行の最後に空白文字が2文字入っているのでbとカーソルの間が2文字分開いています。
4.の画面は、c行の最後に改行文字が1文字入っているのでc行の下にカーソルが表示しています。
5.の画面は、c行の最後に改行文字が3文字入っているのでc行の下に3行の空白行ができカーソルが表示しています。
1. の画面には、空白文字も改行文字も入っていません。
上の5つの画面表示例ですが、どの画面もカーソルが表示していなければ
このように3行が表示しているように見えます。
また、紙に印刷しても同じように印刷されます。
しかし、2.~5.のように空白文字や改行文字を入れてはダメです。
1.の画面のようにする必要があります。
何故か?
余計な文字が入っているからです。
余計な文字とは、空白文字と改行文字です。
当然a行とb行とc行を改行するには行末で改行文字を1文字入れておく必要がありますが、それ以外の改行文字は入りません。
また、行末以降の空白文字も余計な文字です。
初心者の方が作成した文書を見ると、この余計な文字が多く含まれている場合があります。
文書作成をした場合、作成後に保存しますが見えている文字だけでなく、見えていない余計な文字も保存されます。
また、保存文書を呼び出して訂正などをする時に余計な文字が入っているとやりにくくなります。
見えなくとも、余計な文字は入れないようにしてください。
文書完成後、保存前に余計な文字を削除して保存するように心掛けましょう!
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