「エディタ」って知ってますか?
文字を入力して編集するソフトです。
プログラマには必須のソフトですが、パソコン初心者にはどうでもいいようなソフトです。
ですが、初心者にとってもエディタは便利な道具として使えます。
プログラム作成は別として、一般的にどう便利なのか、エディタの使い方を説明していきます。
エディタ とは?
「エディット(Edit)」は「編集」、すなわち、文章などを書いたり、訂正したり加工することです。
「エディタ(Editor)」とは、「編集者(文章などを書いたり訂正したりする人)」という意味です。
しかし、パソコンで文章を作ったり、訂正したりするには、それを行うソフトが必要となります。
ですので、コンピュータの世界では「エディタ」は人のことではなく、ソフトの方をいいます。
文字を入力・編集するソフトのことを「エディタ」というのです。
エディタの種類
またエディタと一口に言っても、単に文章を訂正したりするだけでなく、写真や音楽、動画などを編集するエディタもあります。
正確に言うと、
- テキストエディタ 文字を扱う
- HTMLエディタ HTML言語を編集する(Webページの編集)
- バイナリエディタ 文字を2進数で扱う
- レジストリエディタ Windowsレジストリを編集する
- グラフィックエディタ 写真など画像を編集する
- サウンドエディタ 音を編集する
というように、何を編集するエディタであるか「エディタ」の前に編集するものの名前を付けます。
ただ、最も用いられるエディタは「テキストエディタ」ですので、エディタといえば「テキストエディタ」のことをいいます。
それぞれのエディタには、いろいろなソフト(アプリ)があります。
- テキストエディタ メモ帳、ワードパッド、秀丸エディタ、サクラエディタ、Mery
- HTMLエディタ Dreamweaver、ホームページ・ビルダー
- バイナリエディタ Stirling、HexEdit
- レジストリエディタ Windowsに付属
- グラフィックエディタ ペイント、Photoshop、GIMP
- サウンドエディタ Audacity、SoundEngine
など、他にも多くのソフトが市販されてもいますし、フリーソフトもあります。
この記事では、テキストエディタ(以降、エディタ)を説明します。
エディタとワープロの違い
エディタは文字を編集するソフトです。
一方、ワープロ(ワードプロセッサ)も文字を編集するソフトです。
同じことができるのに、何故、ワープロ・エディタと区別するのでしょうか?
一口で言うと、エディタとは簡易ワープロのことです。
ワープロは、文書を作成するのに必要な機能は全て揃っています。
しかし、エディタは基本的に文字の入力・編集しかできません。
ワープロは、
文字の大きさや色、フォントを設定こともできますし、行間の幅や微妙な位置調整など文書の見栄えを整える機能を持っています。
また、図形や画像、動画・音楽まで文書内に入れる事もできます。
エディタでは、このようなことは一切できません。
文字の入力・編集以外の機能といえば、文字の検索や置換くらいでしょうか。
今では、ほとんどのパソコンにWordなどワープロが入っていますので、文書を作成するのにエディタなど必要ないかも分かりません。
しかし、エディタは使い出すと便利なのです。
エディタのいいところ
とにかく早い!
ワープロは多くの機能を持っていますので起動が遅く、編集機能なども重いです。
それに比べて、エディタは機能が少ない分、立ち上がりが非常に早いです。
常駐させるともっと早くなります。
ですので、ちょっとしたメモ書きをするのならワープロを起動するよりもエディタを起動した方が手っ取り早いです。
また、文字入力や編集などエディタに搭載されている機能も動作が早いです。
つまり、エディタは素早さが売り物ということです。
軽快に文字入力を行えますので、ストレスなく作業が行えます。
エディタとワープロの使い分け
エディタで体裁の整った文書を作るには機能がないのでできません。
これこそ、ワープロを使うべきです。
しかし、ワープロで一から文字入力を行うと、動作がもっさりしているので、あら方の下書きはエディタで行った方が手軽です。
そうです、エディタとワープロを使い分けるということをすべきです。
エディタで作った文書ファイル(テキストファイル)はワープロで読めますので、下書きはエディタ、文書の仕上げはワープロというようにすれば、ワープロ一本で文書作成するよりも捗るはずです。
エディタでは文字しか扱えませんので、図や画像を入れたり、文字の大きさ・色などの設定、文書としての体裁はワープロの方で行います。
つまり、最後の仕上げとしてワープロを使うようにするのです。
私は、今、この記事をエディタで下書きしています。
頭の中に浮かんでくることをメモ書きのような感じでエディタに打ち込んでいます。
ある程度の文書量になったら、誤字や言い回しなどをチェックしながら訂正します。
そして、ザックリと文書ができたらWordpressのHTMLエディタにコピペして図を入れたり体裁を整える作業をします。
WordPressのHTMLエディタはエディタと言えども、ワープロのようなもので体裁を整える機能があります。
このように、同じ文書作成でもソフトの使い分けをすることにより、文書作成の作業が行いやすくなるのです。
エディタをもっと便利に使う
ここで、エディタをどのように使っているのか少し紹介しておきます。
どのエディタを用いても同じことができますが、「秀丸エディタ」を用いての説明となります。
メモ書き
最初に書きましたように起動が早いので、メモを取るにはもってこいです。
思いついたことや、ネットを見ていて残しておきたい記事の一部分を残していきます。
この場合、やはり役に立つのはコピペです。
必要な部分を抜き出し、エディタ上での並べ替えなどにも役立ちます。
問題はメモ書きをどう分類して保存しておくかです。
ファイルとして保存しますので、ファイル名やフォルダ名をどうするのかメモった内容が一目で分かるようにしておく必要があります。
一項目を一つのファイルとするか、関連した数項目を一つのファイルにまとめるかなども重要です。
メモを取るのが早くても、後からメモった内容をすぐに探せるようにしておかなくてはメモった意味がありません。
書式の付いた文字をプレーンテキストにする
例えば、お店を紹介するWebサイトを見て、行きたい店の名前や住所などのデータを Excel に書き出すとします。
当然、コピペですね。
しかし、Excel に貼り付けるとWebページに表示されていた書式のまま表示されます。
これは、Excel でなくとも Word や Onenote などに貼り付けた場合も同じです。
書式とは、文字の色、大きさ、書体など文字を装飾している設定のことです。
いろいろなページからデータを持ってきた場合、コピー元の書式が残っていますので大きさや色などがバラバラになってしまいます。

このページから大阪のお好み焼き屋さんのデータを集めるとします。
ドラッグしてコピーしたい部分を選択しました。(緑色のところ)
そして、Ctrl + C でコピーします。
さらに、Excel に A1セルを基点として Ctrl + V で貼り付けると以下のようになります。
A列の幅は全体が見えるように広くしていますが、単純にWebページからコピペすると、こんな感じになります。
Excel 2010 ですので、最新の Excel と表示が少し違うかも分かりませんが、ほぼ同じのはずです。
店名にはリンクが張られていたり、色が付いています。
また、太字になっている文字もあります。
元のWebページの方と比較してみてください。
このように、普通にコピペすると書式付きになってしまいます。
上は A1セルを選んで Ctrl + V で貼り付けましたが、今度はA1セルを選んで右クリックメニューから貼り付けます。
「貼り付けのオプション:」にあるアイコンです。
2つありますが、左側は 書式付き(Ctrl + V と同じ)、右側は書式なしでの貼り付けとなります。
書式無しで貼り付けてみます。
このようになります。
今度は書式が外され、純粋な文字だけとなりました。
この書式のない純粋な文字をプレーンテキストといいます。
Excel では貼り付け時に右クリックメニューから書式なしで貼り付ければ、プレーンテキストとして貼り付けられます。
しかし、1件毎に右クリックで貼り付ける必要があります。
これに相当するショートカットキーがありません。(過去は、Ctrl + Shift + V でできたのですが)
そこで、直接 Excel に貼り付けるのではなく、一旦エディタに Ctrl + V で貼り付けます。
この時点で書式は取れています。
エディタでは書式が設定できないので、書式データが省かれて貼り付けられるからです。
続けて、貼り付けたデータを再度選択し Ctrl + C 、Ctrl + V で Excel に貼り付けます。
すると、書式のないプレーンテキストで貼り付けられます。
また、リンクが設定されている文字もリンクが外されていますので、本当に純粋な文字だけとなります。
これだけならば、先に書いた右クリックメニューから貼り付けた方が手数が少なく早いかも分かりません。
しかし、何件かのデータの店名と住所だけを Excel に持っていくような場合、Excel 側でいらないデータを削除するのは面倒です。
このような時、複数件のデータをどんどんエディタに貼り付けていきます。
そして、エディタでいらないデータを削除し、データを整理してしまいます。
そして、これでいいとなったら全てを選択し Excel にコピーします。
こちらの方が作業が早いはずです。
さらに便利よくエディタを使うには、データの区切りとして半角のカンマ( , )を入れ csv 形式で保存します。
こういう感じです。
そして、Excel でこのファイルを開くと、
セル分けされて Excel に読み込まれます。
このようにすれば、Excel での作業は見栄えだけを整えるだけとなります。
エディタとワープロのように連携作業できます。
文字だけを抜き出す
下のように文字に含めて文字以外(画像など)も選択しエディタに貼り付けるとします。
すると、エディタはプレーンテキストしか扱えませんので、エディタで扱えない図形や写真などは貼り付けられません。
文字だけです。
これは、Webページ全体の文字だけを抜き出したい時に地味に便利です。(ページ全体は、Ctrl + A 一発で選べます。)
エディタでは文字だけになりますが、ワープロに貼り付けた場合は書式も画像もサポートしていますのでWebページをほぼ見たままの状態で貼り付けられます。
Libre Office に貼り付けていますが、Word や 一太郎 でも同様です。
文字の検索と置換
エディタに書かれた文書内のフレーズを探し出すのが検索、ある文字を別の文字に変更するのが置換です。
一口で説明すればこれで終わりなのですが、どのように利用するかです。
本来、機能というものはこのように使えば便利かな?と試してみて自分で見つけ出すものです。
しかし、それが難しい。
単純な機能である場合、どこで使っていいのか思いつかないからかも分かりません。
普段、何気なく手作業でやっていることを使えないかなと考えてみることが大切です。
ふと、閃いて使ってみるとこんなに簡単に作業ができるということがあります。
ここが、ポイントではないでしょうか?
具体的な使い方は、長くなりそうなので別記事として書くことにします。
エディタでの保存形式
エディタに書かれた文書は通常テキストファイル(.txt)として保存されます。
テキストファイルはプレーンテキストだけが入ったファイルですので、文字が扱かえるアプリならどのアプリからでも開くことができます。
ですので、エディタからワープロ・表計算などそれぞれのアプリへとデータを持っていくことができます。
しかし、逆はできません。
エディタはテキストファイルしか開くことができません。(htmlファイルなど内容がプレーンテキストだけのものは開くことができます。)
普通にワープロで作成した文書を保存すると、通常テキストファイルではなく画像や書式データなども保存できる独自形式のファイルとして保存されます。
ですので、ワープロで作ったファイルをエディタでは開けません。
但し、ワープロでもテキストファイルとして保存できますので、そうすれば可能となります。
尚、ファイルに保存してデータを持っていかなくとも、コピペすればできますので、こちらの方が手軽です。
しかし、テキストファイルはどのアプリでも扱えますので、基本的に万能な保存形式であることを知っておいてください。
どのエディタが使いやすい?
エディタは何時でも使えるようにしておくと便利なものです。
では、どのエディタをインストールしておけばいいのでしょうか?
有償のものもありますが、無償のもので十分かと思います。
まず、Windowsには「メモ帳」、「ワードパッド」というエディタが付属していますがこれらはメモ書き程度にしか使えませんし使いにくいです。
一般的に無償で使えるものなら、「サクラエディタ」でしょうか。

「Mery」もいいですが、検索・置換機能が劣ります。(色付けができるなど他に無い機能が便利です。)
メモ書きにはこのエディタをお勧めします。

有償でもいいのなら私が常用している「秀丸エディタ」がいいでしょう。
プログラム作成などをしないのであれば、このようなエディタを1本入れておけば役に立つはずです。
これらエディタには「マクロ」という処理を自動的に行う機能もありますので、使えるようになればさらに便利なものとなります。
但し、どのアプリでもそうですが、問題はどこでどのように使っていくかです。
その辺りは、分からない点を調べて使っていくことです。
使っていけば徐々に便利な点が分かってくるようになります。
継続して使うことが大事です。
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