先日、「Excel方眼紙公開討論会」というものが開催されました。
「Excel方眼紙」とは?
「Excel方眼紙」とは、セルの大きさを細かくし、ワークシートを1枚の方眼紙と見立て、その細かくしたセルをセル結合を多用して表を作ることをいいます。
この手法を使うと、見栄えの良い表が簡単に作っていくことができるのです。
Excelを普通に使うとしたら、セル一つを表の一つのマス目と考えて作ります。
しかし、こうすると複雑な表が作れません。
小さなマス目(セル)をセル結合により繋ぎ合わせ、複数セルを一つのセルという扱いにしていけば、マス目の大きさを自由に設定でき、思うような表が作成できるということです。
できないことができるようになるのなら、良いことではないか。
と思うわけですが、問題は作成後に出てきます。
「Excel方眼紙」の問題点
「Excel方眼紙」を用いて作成された表は、その表を修正・変更する時に非常に手間が掛かってしまうのです。
作成した表を印刷し提出する、1回限りで済む場合はいいのですが、後からその表を訂正、再提出ということはよくあることです。
一から作り直せば時間が掛かりますから、元データを訂正して使うということは当たり前のことです。
しかし、複雑なセル構造を持つ表は、どのようにセルを結合し作っていったかが分かり難く、どこをどのように訂正すればいいのか、それを調べるのに時間を費やしてしまいます。
下手をすれば、新たに作り直す方が早いかもということになりかねません
このような問題が出てくるのは、Excelは表計算という「計算」を主体にしたソフトであり、表のデザインには重点をおいて作られていないからではないでしょうか。
WordとExcel
MicrosoftはOfficeという位置付けで、ワープロソフトのWord、表計算ソフトのExcelを提供しています。
いわば、WordとExcelは兄弟ソフトです。
パソコンにExcelが入っているなら、必ずと言っていいほどWordも入っています。
Wordは、文書作成用と思われがちですが、表も作れます。
また、Wordこそ文書の見栄えを整えるために使うもので、複雑な表も作ることができます。
そういう意味では、本来、複雑な表はWordで作るべきです。
ところが、慣れてしまえばそうでもないのですが、作り方が難しいのです。
「Excel方眼紙」のように、直感的な作り方はできません。
表をWordで作るか、Excelで作るかは、デザインを重視するか、計算を主体とするかで使い分けるべきではないでしょうか?
Excelをワープロとして使う
話は変わりますが、「Excelで文書を作っても良いのか・悪いのかと」いう「Excelワープロ」問題と類似する部分があります。
文書作成用としてWordがあるのに、それを使わずにExcelで文書を作るということです。
Wordはワープロ専用のソフトだけあって、細かな文書デザインができるようになっています。
細かいことができる分、Wordでの文書作成は難しいと思われがちです。
確かに、どの機能を使えばいいのか、それぞれの機能が直感的に分からないなど難しさはあります。
しかし、一番の原因は、勉強(練習)しないからです。
見た目を整えるために、正規の使い方をせずに自分の分かっている範囲で体裁を整えてしまうのです。
例えば、
行間を開けるのに改行で開ける。
字下げするのに空白文字を入れて字下げする。
ということをやってしまいます。
段落調整やインデントを使えば、思うように調整できるのに、その機能を知らないので使えない、分かっていることだけでやってしまおうとなるのです。
そんな機能があるというこを知らない人もいますが、知っていても勉強するのが面倒臭いから手っ取り早く済ませてしまうのです。
どのような使い方をしても、人の勝手というものですが。
Excelで文書を作る
どのような使い方であろうと、Wordで文書を作る人はまだいい方です。
Excelで文書を作る人が、どれだけ多いことか。
Excelの基本的な使い方は、セルというマス目に数字や文字を入れて、表を作成していきます。
表計算ソフトと言われるだけあって、縦・横の合計や平均など簡単に計算ができ、それどころかもっと複雑な分析・解析なども行えます。
使いようによっては、大変重宝するソフトです。
ところが、セルに文字を入れることもできるので、横のセル並びを1行と見て、ワープロのように文章を入力していくという使い方ができます。
表のタイトルや項目名を入れる時は文字を入れるわけですが、文書もセルに入れるという使い方です。
この方法、一見簡単なんですね。
セルの横並びの1行の縦幅、すなわち行間を簡単に調整できますし、文字の大きさや・色なども簡単に変更できます。
横位置の調整もセルの横幅を調整したり、セルを触っていけば何とかなるという感じです。
初心者受けが良いというか、パソコンが分かっていない人にとってはありがたすぎる使い方ができるのです。
しかし、細かく体裁は整えられない。
Wordを使いたいが、よく分からない。
これも、理解していることだけで済ませてしまおうとするのです。
別に使い方など、どうでもいいのでは?
「Excel方眼紙」もそうですが、安易な方向に進むのは仕方がないのかもです。
早い話、自分が満足する文書や表が簡単に早く作れるに越したことはありません。
だから、別に使い方など人様々でいいのではないか、ほっといてくれ。
というのが私の結論ではあるのですが。。。。
自分一人でその資料を扱う時に限ると思います。
昨今は、複数の人がそのExcelデータを編集したり、メールに添付して送ったり、共有使用する場合が多いです。
「Excel方眼紙」的な使い方をしたデータを使うと、作成者は良いとして、他の人が修正などをする時、面倒なこととなります。
考え方は人によりけりです。
後はどうでもよく、その場を凌げればいいのなら、手っ取り早い方法を使うも良しです。
実際の仕事面では、時間がなく早く資料を作らなければという場合も多々あると思いますし。
但し、そのデータを他人が編集したり、後々に訂正が出てくる時に時間がかかってしまうということを考えておく必要があります。
以上のような問題は業務に支障をもたらすとは思います。
しかし、この問題は討論するほどのものでもないと思います。
企業内では、どう運用するのかルールを作ればいいことです。(個人使用においてもです。)
ただ、ルールを守らなければどうにもなりませんが。
Excelが何でもできる「神ソフト」だからこのような問題が出てきたのでしょうね。
みなさんはどう使えば良いと思います?
最後になりましたが、タイトルの「ネ申Excel」ですが、「神エクセル」と「紙エクセル」からきた「Excel方眼紙」をけなすネットスラングのようです。
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