Windows10では「仮想デスクトップ」という機能が新たにサポートされました。
Macではお馴染みの機能で、Windowsでの登場を待っていた便利な機能です。
仮想デスクトップとは、複数のデスクトップ画面を仮想的に作成できる機能です。
「仮想的に」と書けば何やら難しく感じますが、通常のデスクトップ画面がディスプレイ1台に対して1枚のところ、それを何枚も作ってしまおうということです。
ここでは、仮想デスクトップの特徴と使い方を説明していきます。
尚、以下は Windows 10 Home Ver.1709 16299.31build を使用しての解説となります。
デスクトップの形態
「デスクトップ」とは、Windowsの作業領域画面をいいます。
詳しくは、
をご覧ください。
Windows10で扱えるデスクトップの形態には以下の3種類があります。
通常のデスクトップ
これは、普段使っているWindows画面そのものです。
このように、デスクトップ画面に複数のウィンドウを置いて作業を行います。
大きなディスプレイでは画面が広いのでデスクトップに複数ウィンドウを出してもそれなりに作業はできます。
しかし、小さなディスプレイではウィンドウが重なったりで作業は大変です。
マルチディスプレイ
ディスプレイを2台つなぎ、2画面を1つのデスクトップ画面として使えます。
ディスプレイを2台並べるので場所も取りますが、デスクトップを広く利用できます。
机を横に2台並べ、資料をいくつも広げて作業するのと同じです。
ディスプレイを置くスペースがあるならこの環境が最も使いやすいでしょう。
仮想デスクトップ
デスクトップをディスプレイ1台で広くできないかと考え出されたのが仮想デスクトップです。
仮想デスクトップの画面はディスプレイ1台分ですので、マルチディスプレイのように横に広げることはできません。
ですので、何枚かのデスクトップを重ね、作業するデスクトップを最前面に切り替えて取り扱うように考えられたものです。
上図は、デスクトップ1、デスクトップ2、デスクトップ3と上から順に並んでいます。
デスクトップ2、デスクトップ3は、デスクトップ1の後ろ側に隠されています。
扱うデスクトップを最前面に入れ替えながら操作していくのが仮想デスクトップを用いた作業方法となります。
Webブラウザのタブ画面と同じように考えればいいでしょうか。
仮想デスクトップの操作
仮想デスクトップを使っていくためには、まず仮想デスクトップを作る必要があります。
また、それぞれのデスクトップを使う上でのいくつかの機能が用意されています。
デスクトップの確認
これまでに仮想デスクトップを使っていなかった場合、デスクトップは今見ている画面1枚だけです。
上のように3つのウィンドウが表示されているとします。
画面左下に赤枠で囲ったタスクビューボタンがあります。
このボタンをクリックすることで、デスクトップを管理する画面に切り替わります。
この画面を「タスクビュー」といいます。
タスクビューにもデスクトップの3つのウィンドウが表示されています。
このようにタスクビューでは、デスクトップの内容が確認できるようになっています。
通常のウィンドウ操作はできませんが、アクティブウィンドウを切り替えたりができます。
この操作については、
をご覧ください。
もう一つ、タスクビューでは仮想デスクトップの管理ができるということです。
また、タスクビューからデスクトップに戻るには、再度タスクビューボタンをクリックするか Escキーです。
仮想デスクトップの新規作成
上のタスクビュー画面を見ると、仮想デスクトップがないことが分かります。
最初にあるデスクトップだけです。
それは仮想デスクトップを新規作成してみると分かります。
新規作成するには、画面右下の「+新しいデスクトップ」をクリックします。
画面下中央に「デスクトップ1」「デスクトップ2」という小さな画面が2つ表示されました。
「デスクトップ1」が最初からあるデスクトップ、「デスクトップ2」が新規に作成されたデスクトップです。
また、「デスクトップ1」に表示されている3つのウィンドウが画面から消えましたが、新規デスクトップ作成と同時にそれが選択されているからです。
「デスクトップ2」は出来たてですので内容は何もありません。
続けて、「+新しいデスクトップ」をクリックすると、
新たに「デスクトップ3」が作成されます。
当然、内容はまだありませんので何も表示されません。
デスクトップを切り替える
タスクビューで何れかのデスクトップをクリックするだけです。
「デスクトップ1」をクリックすると、タスクビューから「デスクトップ1」画面が表示されます。
「デスクトップ2」を表示したいなら、再度タスクビューに切り替え「デスクトップ2」を選択します。
すると、「デスクトップ2」が表示されました。
「デスクトップ2」は、新規ですので何も表示されません。
「デスクトップ1」がなくなったわけではないことに注意して下さい。
「デスクトップ2」の後ろ側に回っただけで隠されている状態です。
任意のデスクトップを表示 → タスクビューからデスクトップを選択
ということになります。
デスクトップ毎にウィンドウを開くことができますので、それぞれのウィンドウをデスクトップに分け、切り替えながら作業を行うことになります。
尚、作成したデスクトップは削除しない限り、パソコンの電源をOffにしてもそのまま残っています。
デスクトップを削除する
上の3つのデスクトップがある状態で「デスクトップ3」がいらないなら、
タスクビューで「デスクトップ3」にマウスポインタを持っていくと出てくる「×」をクリックするだけです。
デスクトップが1枚だけになるまで同じように削除できます。
もし、デスクトップが3枚ある状態でウィンドウが存在する「デスクトップ1」を削除した場合どうなるでしょう?
「デスクトップ1」ごとウィンドウが閉じてしまうかと思いきや、そうではありません。
「デスクトップ2」に内容が移され、「デスクトップ2」→「デスクトップ1」、「デスクトップ3」→「デスクトップ2」へと名前が変わります。
このように、削除するデスクトップに表示されている内容は次のデスクトップに送られるようになっています。
ウィンドウを移動させる
下図のようにウィンドウを任意のデスクトップにドラッグすると、
他のデスクトップに移動することができます。
このように、任意のデスクトップにウィンドウを配置すればより効果的に使えます。
実は、どのデスクトップにどのウィンドウを配置するのかが難しいのですが。
仮想デスクトップ操作を便利にする
便利にするというならば、ショートカットキーです。
Windows + Tab | タスクビューの表示 |
Windows + Ctrl + D | 仮想デスクトップを作成する。 |
Windows + Ctrl + F4 | 現在の仮想デスクトップを閉じる。 |
Windows + Ctrl + → | 次の仮想デスクトップへ切り替える。 |
Windows + Ctrl + ← | 前の仮想デスクトップへ切り替える。 |
注.Windows とは、Windowsキーのことで
キーボード左下にあるこのような旗マークの書いてあるキーです。
Windows + Tab
タスクビューを表示します。
赤枠のタスクビューボタンの代わりに使えます。
このショートカットを使う方が断然便利です。
Windows + Ctrl + D
仮想デスクトップを作成します。
タスクビューに切り替えずに、新規デスクトップを作成できます。
Windows + Ctrl + F4
現在の仮想デスクトップを閉じます。
タスクビューに切り替えずに、今表示中のデスクトップを削除できます。
上で説明しましたように、内容は次のデスクトップに送られます。
Windows + Ctrl + → or Windows + Ctrl + ←
デスクトップを移動します。
タスクビューに切り替えずに、デスクトップを切り替えることができます。
素早くデスクトップを移動できるので便利です。
ショートカットを使うと、タスクビューに切り替えずに操作できるのでデスクトップ操作が迅速に行えます。
便利な+α ソフト
ショートカットを使えばかなり便利にはなるのですが、まだ少し使い勝手の悪い部分が残っています。
それは、現在作業中のデスクトップが何番目のデスクトップかが分からないことです。
どのデスクトップかはタスクビューを見ないと確認できないのです。
そこで、仮想デスクトップ機能を補うフリーソフトを導入することを考えます。
「Windows 10 Virtual Desktop Enhancer」というソフトです。
このソフトを導入すると、
- タスクトレイに現在の仮想デスクトップ番号を表示
- マウスホイール回転での仮想デスクトップを切り替え
- 数字キーでの仮想デスクトップを切り替え
- ウィンドウを他の仮想デスクトップへ移動
- 仮想デスクトップごとに異なる壁紙を設定
などの機能が追加されます。
ダウンロードは、Releases · sdias/win-10-virtual-desktop-enhancer · GitHub から行って下さい。
2018/5/18現在のバージョンは、Beta 0.11.1 です。
インストール
まず、このソフトを使用するには、「Windows 10 Anniversary Update」(バージョン1703)及び「Visual C++ 2015 ランタイム」をインストールしている必要があります。
そして、「Windows.10.Virtual.Desktop.Enhancer.0.11.1.zip」 をダウンロードし、適当なフォルダに解凍します。
virtual-desktop-enhancer.exe を実行すれば、タスクトレイに赤枠で囲んだアイコンが表示されます。
アイコンに表示されている数字が現在のデスクトップを表しています。
デスクトップを切り替えると数字も変わりますので、現在作業中のデスクトップを確認できます。
スタートアップ
Windowsを終了するとこのソフトも終了しますので、起動する毎に実行する必要があります。
このソフトを常時使いたいならば、ショートカットファイルを作り、スタートアップフォルダに入れて下さい。
パソコン起動と同時にこのソフトが起動するようになります。
詳しくは、Windows ショートカットって何? をご覧ください。
使い方
従来のショートカットはそのまま使え、それに加えて以下の機能が使用できます。
タスクバー上でのマウスホイール回転で、仮想デスクトップを切り替え(設定でOffにすることもできます)
「Ctrl」+「Win」+ 0 ~ 9 で、仮想デスクトップを切り替え
「Ctrl」+「Shift」+「Win」+ 0 ~ 9 で、アクティブウインドウを指定した番号の仮想デスクトップに移動(0 は、10 番目を指定)
「Ctrl」+「Shift」+「Win」+ ← → で、アクティブウインドウを前後の仮想デスクトップに移動
仮想デスクトップごとに、異なる壁紙を設定(最初は設定されていません)
尚、インストールフォルダにある settings.ini というファイルの内容を変更することにより、ホットキー(ショートカットに使用するキー)の変更や壁紙の設定などが行えるようになっています。
ネットで検索すれば詳しく解説されていますので、ここでは紹介程度にしておきます。
仮想デスクトップを使った作業
何枚かのデスクトップを作り、それぞれにウィンドウを出し、デスクトップを切り替えながら作業を行うというのが仮想デスクトップを用いた作業となります。
各デスクトップにアプリを分散させて表示できるので、デスクトップを広く使えるというのがメリットですが、どのデスクトップにどのアプリを出して作業するかがポイントです。
また、それぞれのデスクトップに出したウィンドウが何であったか把握しておく必要があります。
私も仮想デスクトップを使うようにしていますが、慣れないとデスクトップ1枚で作業するよりも煩雑になってしまいます。
特にアプリ間でやり取りする場合は、同じデスクトップに双方のアプリを置かないと不便です。
このブログを書くこともデスクトップを分けて作業していますので、どのように分けているかを例として書いておきます。
基本的にデスクトップは3つだけです。
- ブログを書く
- 画面例を表示し、ここでキャプチャー
- 取り込んだ画面を編集
作業内容によってデスクトップを分けるというのが原則です。
必要によりデスクトップを増やしたり減らしたりはしていますが、デスクトップが多いとどこに何があるか分からなくなりますので、5枚が限度かと考えています。
何を作業していくかでデスクトップを分けるということは難しいものです。
どのようにデスクトップを分けると使いやすいかは、いろいろ試す必要があると思います。
どの機能にも共通して言えることですが、使い勝手を良くするには、積極的に使い、慣れることが一番でしょうか。
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